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成功事例

経営者としての
事業承継について
事業承継

渡邉定雄 株式会社渡辺住研
創業者(埼玉県)

経営とは自分の力ではなく多くの人に導かれて成長するもの

私が事業承継を行なったのは2006年ですので、今から10年ほど前になります。私が67歳、息子が35歳の時になります。息子は、幾つかの会社に勉強に行っておりまして、29歳の時に会社に戻り、そこから6年かけて事業承継の準備に入りました。当時、私が体調を崩していたこともあって準備を急ぎました。幸いに息子が頑張ってくれましたので、経営の承継は順調に進みました。


資産の承継は、実はまだ行なっておりません。会社の株式に関しても、私がまだ過半数を所有しています。もちろん、これには理由があります。まず、経営に関する私の考え方からお話しましょう。社長業というのは、意思決定業であり、作業を行う役職ではありません。作業ができるから社長ではないのです。意思決定を正確に行うには、それなりの見識と経験が必要なわけです。初代と二代目の一番の違いは何か?それは、失敗の数です。失敗の少ない人間は、どうしても物事の見方が浅くなりがちです。初代の社長は、失敗を重ねて、それが全て肥やしになって成長してきたわけです。上手くいったことというのは、あまり深掘りしませんが、失敗した時は深く悩み、どうすればよかったのかと自問自答するはずです。そうやって思考することで、人間性を高め、経営者として成長するわけです。その失敗を全部すっとばして、二代目は後を継ぐわけですから、問題が起こった時に思考停止する可能性もあります。これらを踏まえて、二代目社長は、全てがスムーズに進んではいけないと思っています。簡単に言えば苦労するべきなのです。


事業承継で発生する相続税は、確かに大きな金額になると思います。しかしそれは、二代目経営者が乗り越えるべき試練であり、それを、初代が事前に全て準備してスムーズに承継するのは、本人のために良くないと考えています。失敗をじっくりと味わう、思索を深めることで、経営者としての見識が身につく、私はそう思っています。嫌なことを避けて生きる人生は人間性を高めることができないのです。 二代目を成長させるためには、初代は経営に口を出さないことです。私は、事業承継を行なってからは決算書も見ていません。経営を任せて失敗をさせてあげる、というと変ですが、自分が生きているうちは見守ってあげられますから。


事業承継にとって最も重要な前提条件は二つ有ります。引き継いだ会社からの収入に頼らないで、リタイア後もしっかりとした収入を確保出来るように準備しておく事です。最低でも10年はかかります。二番目は自分が育てた旧幹部の処遇の問題で、この事をきっちり出来るのは先代の社長に限ります。この事が後々争いの種になりかねません。経営とは、社長が一生懸命やればうまく行くというものでもありません。たくさんの人に導かれて現在があるのです。節目節目に出会った人、支援してくれた人がいなければ、今の私もないと思っています。その気持ちを持って、二代目には経営に取り組んでほしいと思っています。


※この続きは「全管協の魅力を伝えるブックVol.4」成功事例集をご覧ください。全管協へのご入会を希望される方は事務局までお問い合わせください。